がんと幸福感

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分析結果はほどほどに

2011~16年の5年間、
全国の40~65歳の労働者

男女約5万4000人を対象に
アンケートしたら

「がんを経験した男の労働者は
幸福感が高い」んですって。

ずいぶん年齢層の幅の広い
アンケートではあります。

記事にはこう書いてあります。

がん経験の男性労働者は幸福感が高い 愛知・藤田医大のグループ分析 | 毎日新聞
2011~16年に全国の40~65歳の働く男女約5万4000人を対象に、国立がん研究センターが実施した「次世代多目的コホート研究」をもとに、藤田医科大医学部の太田充彦准教授(公衆衛生学)らが分析した。がんになった経験のある労働者と、がんの経験のない労働者について・・・(中略)男性労働者のうち、がん経験者の方が、がん既往歴のない人と比べ幸福感を感じる割合が高いことが、国立がん研究センターや藤田医科大の研究グループの分析でわかった。がんになっても仕事を続けることの大切さを示すもので、治療と仕事の両立を推進するための環境整備が急がれる。【細川貴代】

毎日新聞 2021/2/6 13:30(最終更新 2/6 13:38) 有料記事 771文字

このアンケートの、
5万4000人の中身について、
男女比の偏り具合はいかがか。

地域、職種、勤続年数、役職など
取り出し方によって、
結果は変わるでしょうね。

Google先生は
「コホート分析の欠点」を
このように述べられています。

コーホート分析を行う上で注意しなければならないのは、分析によって得られるのはあくまでも抽出した集団の行動パターンでしかなく、必ずしもその集団に属するすべての人が同様の行動をとるわけではないという点です。(中略)くれぐれも分析によって得られた結果が、集団に属するすべての人の行動パターンを意味していると思い込まないようにしましょう。

日本マーケティングリサーチ機構 コホート分析の活用方法

ということなので、
参考程度にとどめておきましょう。

統計から導く推論には、
必ず別の見方もあるということを
理解しておつきあいするのがキモです。

そうでないと振り回されるばかりです。

個別性が強すぎて正解がない

分析には患った人とそうでない人の
二つの立場が示されているが、

がんを患った側は働くことを諦めずに、
雇う側は活躍してもらうことを諦めずに、
相互に理解して働かせよう。

ですが、きれいごとですが、
現実は厳しい。

本当に厳しい。

私も、ステージ3bのがんサバイバーで
あることお構いなしに、

あるときはプレーヤー、
またあるときはマネージャーとして
相対するポジションで闘病していたあの頃、

過重に労働してういた経験からも、
そのように感じます。

働く側はどこまで病人として振舞えばよいか、
雇う側はどこまで健常として扱えばよいか、
双方、手探り。

がん患者の予後は個別性が強すぎて、
労使に、一義的な正解がない点に
就労問題の心因が潜んでいます。

幸福感は別にある

調査結果をもう少し読み解きます。

幸福感では、「ご自分がどれくらい幸せだと感じますか」との質問に対し、「大変幸せ」から「幸せでない」までの4段階から選択。その結果、男性では、がん経験のある労働者は、がん経験のない労働者よりも幸福感を感じる割合が統計学的に有意に高かった。女性では違いは見られなかった。

毎日新聞 2021/2/6 13:30(最終更新 2/6 13:38) 有料記事 771文字

そりゃあそうですよね。

この病気していると、
生きてるだけでありがたいと
思うようになりました。

いや、思うようになれました。

生きているだけで儲けもん。

死ぬこと以外かすり傷

とは良く言ったものです。

でも、女性の集団には、幸福感の結果に
違いが見受けられなかったのはなぜか。

女性にとって、
幸福感を測るものさしは
病気の有無よりもっと別にある。

裏を返すとこのように解釈できます。

続きがとても気になる
示唆を得られたところで、
今日はここまで。

私の思い

がん治療に触れるときは、
リアルを包み隠さず伝えます。

明るい話も深刻な話も全て。

それが首の皮1ミリ残して
かろうじて生かされている者の、

”命の始末の付け方”

だと考えています。

ここで綴る病状が、
同じ病の誰かの役に立てば良いと思っています。

見知らぬあなたの”もしも”に
少しでもお役に立てればと綴っています。

ではまた。

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